育休中の生活費、夫婦の負担割合は?折半を見直す3つの判断軸
結論:育休中の生活費は、夫婦で半分ずつ負担する方法だけが選択肢ではありません。その月に実際に使えるお金、共通費の額、給付が入るまでの時期を確認し、折半を続けるか一時的に分担を変えるか決めましょう。育児休業給付の「67%・50%」は給付額の計算に使う割合で、夫婦の生活費の負担割合ではありません。
この記事では、負担の決め方と入金前の不足への備えを、夫婦で話し合う順に整理します。受給可否と実際の金額は勤務先・ハローワーク・加入保険者へ確認してください。
育休中の生活費は何割ずつ?3つの分担方法
一律の正解はありません。まず家賃・食費・光熱費など共通で払う金額を決め、各自のその月の入金額と手元に残したい資金を確認します。給付金の入金前と入金後では、同じ割合に固定しなくても構いません。
① 折半を続ける
両者の手元資金に余裕があり、休業中も無理なく払える場合の選択肢。片方の預金だけが減らないか毎月確認します。
② 入金額に応じて分ける
休業で一方の入金が減る場合の選択肢。給与と実際に入った給付を並べ、共通費の負担を定期的に見直します。
③ 共通貯蓄で一時的に補う
給付の初回入金前など、支払日が先に来る場合の選択肢。使う目的と補う期間を決め、復職後の補充も話し合います。
決める順番:共通費を合計 → 各自の実際の入金と手元資金を確認 → その月の分担を決める → 入金後・復職後に再点検。どちらか一方が立て替える場合は、精算するかどうかも先に合意しましょう。
これは家計整理の方法であり、特定の負担割合を推奨するものではありません。共働き夫婦の生活費分担の比較も参考にしてください。
育休中の生活費は「手取りの代わり」ではなく、家計全体で見る
育児休業給付は、原則として休業開始前の賃金を基準に計算されます。ただし、給与そのものではなく、上限額や休業中に支払われる賃金の有無などで実際の給付額は変わります。
まずは、次の3つを書き出しましょう。
- 入るお金:給与、育児休業給付、出産手当金の対象期間、児童手当など
- 必ず出るお金:住居費、光熱費、通信費、保険料、返済、保育・医療関連費
- 時期が読みにくいお金:出産準備、ベビー用品、帰省、家電の故障、更新料など
月単位の収支だけでなく、いつ入金され、いつ支払うかまで確認すると、「年間では足りるのに最初の数か月だけ資金が薄い」という見落としを防ぎやすくなります。
育休中の生活費はいくら準備する?家計の記入シート
平均額より、ご家庭の支払日と入金日を並べることが先です。下の項目をメモに写し、育休開始から復職後まで月ごとに記入してください。
対象月:__月 / 夫婦それぞれの使える残高:__円・__円
急な出費のために残しておく額:__円
家賃・食費・返済など:__円 / 大きな引落日:__日
出産準備・年払い費用など、今月の臨時支出:__円
給与・給付など:__円 / 入金日:__日
未確認の給付は別欄へ。見込みの入金が遅れても払えるか確認します。
各自の負担:__円・__円 / 共通貯蓄から補う額:__円
立替を精算するか:__ / 次に見直す日:__
月末の見込残高 = 月初残高 + 今月の入金予定 − 今月の支出予定。月末だけでなく、大きな引落日の直前にも残高を確かめます。入金予定が未確定なら、遅れた場合も別に計算してください。
これは家計整理用の記入例で、統計上の平均や推奨金額ではありません。給付の対象・金額・入金見込みは勤務先などに確認し、入金済みの額と区別しましょう。
復職・時短勤務後は、同じシートを作り直す
復職後は給与、保育関連費、通勤費などが変わります。育児時短就業給付金と復帰後の手取りの計算例も参考に、育休中と分けて比較してください。
折半を続けるか迷ったら、この順に確認
- 1. 給付の入金前に、支払いが足りない?
はい → 給付の申請・入金見込みを勤務先へ確認し、夫婦で支払口座と一時的な立替・共通貯蓄の使い方を決める。
- 2. 折半すると、片方の預金だけが減り続ける?
はい → 共通費に含めるものと、各自に残す資金を再確認。入金額に応じた分担や、期間を決めた変更を比較する。
- 3. 復職後も住宅費・教育費と両立できる?
わからない → 育休中と時短復帰後の収支を並べる。働き方と支出の選択肢をまとめて比べたい場合はFP相談を使う。
すべての項目で無理がなければ、現在のルールを続けることも選択肢です。家事・育児の負担も話し合い、収入の割合だけで公平さを決めつけないようにしましょう。
最初に確認したい公的な支援
育児休業給付
厚生労働省によると、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者には、原則として「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」で計算され、育児休業開始から181日目以降は50%で計算されます。給付額には上限があり、休業中に賃金が支払われると減額または不支給となる場合があります。
また、出生直後の一定期間に夫婦双方が育休を取得するなどの要件を満たす場合は、出生後休業支援給付金が加わる仕組みがあります。対象期間や配偶者の状況には例外があるため、「自分たちが必ず80%になる」とは考えず、勤務先を通じて受給資格と見込み額を確認しましょう。
社会保険料の免除
健康保険・厚生年金保険の被保険者が育児休業等を取得する場合、事業主からの届出により保険料が免除されます。月額保険料と賞与にかかる保険料では条件が異なるため、短期間の休業や賞与月をまたぐ場合は、勤務先に手続き状況を確認してください。
産前産後と育休は入るお金の制度が異なる
出産のために会社を休み、給与の支払いがない場合には、健康保険の被保険者を対象に出産手当金が支給されることがあります。これは産前産後の制度で、育児休業給付とは対象期間・窓口が異なります。家計表では「産前産後」「育休前半」「育休後半」に分けて見通しを作ると整理しやすくなります。
どんなときにFP相談が役立つ?制度窓口との違い
受給できるか・いつ入るかを知りたい
勤務先・ハローワーク・加入保険者へ確認します。申請の進み具合や受給可否、支給日はFPが決定・保証できません。
分担・住宅費・教育費をまとめて整理したい
折半を続けた場合と分担を変えた場合、育休延長と時短復帰など、ご家庭の前提で複数の収支見通しを比較する相談が役立ちます。家計の数字がそろっていれば、夫婦だけで話し合って決める方法もあります。
相談前に用意したい4つの情報
- 育休・復職の予定と、時短勤務を希望する期間
- 給与明細、給付の通知、申請状況と入金見込み
- 住居費・返済・保育関連費などの支出と支払日
- 夫婦の現在の分担、使える預金、残しておきたい資金
最初は「生活費の折半を続けると片方の貯金が減る」「時短復帰後まで見通したい」など、悩みを一つ伝えるだけでも話の出発点になります。LINEの初回連絡に口座番号・マイナンバー・通帳画像などを送る必要はありません。
よくある質問
育休中の生活費は夫婦で折半すべきですか?
家計管理の方法として、折半だけが選択肢ではありません。休業で入金額や時期が変わるため、共通費・各自の手元資金・給付の初回入金前の期間を確認し、無理のない負担を話し合ってください。入金が変われば割合も再確認します。
育休中の生活費はいくら必要ですか?
必要額は、住居費・借入返済・子どもの人数・地域・復職時期などで変わるため、一律にはいえません。まずは育休開始から復職後までの予定支出を月ごとに把握し、制度による入金時期と比較してください。
育児休業給付だけで生活できますか?
給付額は休業開始前の賃金、上限額、休業中の賃金支払いなどにより異なります。給付率をそのまま手取り額とみなさず、勤務先経由の手続き内容と家計の固定費を照らし合わせる必要があります。
練馬区の子育て支援制度を調べる順番は、練馬区の子育て支援は何から調べる?で整理しています。制度は年度や世帯条件で変わるため、申請前には必ず公式サイト・窓口で最新情報を確認してください。
参考にした公式情報(再確認日:2026年10月9日)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。受給資格・給付額・申請期限・家計上の判断は、勤務先、加入保険者、ハローワーク、自治体等の最新情報とご自身の世帯条件で確認してください。
監修者:【FP】雨宮蓮太のプロフィール
この記事の監修者

雨宮 蓮太
株式会社OPTI PRIME
代表取締役
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、Advanced Cancer FP®(2級がんFP)、生命保険募集人、損害保険募集人、ハウスクリーニングアドバイザー。暮らしとお金の両面から、日々の選択に役立つ情報を発信しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。家計・保険・資産形成等の判断は、ご自身の状況に応じて専門家へご相談ください。


